『霊幻道士Q　大蛇道士の出現！』の感想と動画・twitterまとめ他

原題からすると作品上は霊幻道士7の続編らしい。
時代背景や登場人物の名前を見ると往来のファンに「復活しました!」とアピールしているとおり、霊幻道士復活という期待通りの大笑いできるホラー映画になっています。

出来ばえ自体は悪くなかったと思うものの、過去作のようなホラー映画の雰囲気は0になっており、ストーリーの雑さはかなり目立つ、ギャグに全振りしたのだから当然ではあるが。

ラム・チェイン演じるハオ道士は威厳と迫力を子供ながらに感じてたが、比べてチン・シュウホウは若々しいせいかちょっとインチキ臭く感じた。

復活アピールを感じたのは過去の「1作目」と「3作目」の名場面を持ってきている展開があり、「あ、見たことある」「こんなんあったなぁ」と思わせられる部分が多々あったが、良く言えば自分達ファンには懐かしい反面、悪く言えばオリジナリティが乏しい。

往来のファンとして言わせてもらえば、新しく見る人達はまず「1」と「3」を見てからコレを見てもらった方が、低評価をしている人達が言う面白さとつまらなさを理解してもらえるでしょう。

段階を踏んで霊幻道士が正統復活したのはホント嬉しい。

今回のはVシネのような安い映画でしたが、カンフーホラーコメディなんて特種なジャンルは他に無いし、今後も展開があるならどんどん作品を続けてもらいたい。

映画事情として少し擁護させてもらうと、知り合いの中国人に聞いても香港が返還されてからの映画はホントつまらなくなったと言っています。
つまりは中国主導で内容にテコ入れがあるものが多く、抗日を入れたりお色気を徹底して排除するなど、ホントはやりたくても出来ない事のがあるそうですね。

まぁ作り手のセンスもあるでしょうが、香港返還前と後とで香港映画のクオリティに差が生じるのはそういった事情も絡んでるそうです。

祝！シリーズ復活！！
かつて一世を風靡した『霊幻道士』のシリーズ最新作。

『霊幻道士』は法術の達人で、気難しいがどこか人間くさい道士を演じた林正英（ラム・チェンイン）の出世作であり、彼の早すぎる死をもってシリーズも事実上終焉となっていたが、『霊幻道士１～３』の監督だった劉觀偉（リッキー・リュウ）が再び監督を、林正英の弟子を演じた銭小豪（チン・シュウホウ）を新道士に添えてのシリーズ復活と相成った。

銭小豪と言えば、リブート版『キョンシー（2013）』や『霊幻道士　こちらキョンシー退治局 (2017)』といった近作にて活躍していたが、その彼がかつての師だった林正英のような道士を演じると聞いて、思わず笑みがこぼれてしまった。彼が道士を演じることは、ある種の跡目継承であり本当の意味でキョンシーシリーズの復活に相当するからだ。

作品自体は旧作のようにコメディタッチで描かれながら、キョンシーとそれを操る悪の道士との戦いを主軸に進んでいく。旧作のエッセンスを残しながらも、最新のCGIやワイヤーアクションを用いたアクションを多用しているため、十分鑑賞に耐えることができる娯楽作である。

強いて残念な点を上げるとすれば、肝心のキョンシーの出番が少ないこと。道士役の銭小豪のアクションのキレ味が林正英と比較すると、やや劣ることだろうか（もっとも、当時30前半だった林正英と50半ばの銭小豪を比較するのがムチャだろうが）。

いずれにせよ、シリーズの正当な続編であり、あの旧作の雰囲気が復活したことは非常に嬉しい。おススメである。