『フォロイング』の感想・VOD・twitter等のまとめ

イットフォローズと同じでストーリーを重視したホラーって感じです。

タイの旅行で変な霊に取り憑かれたっていう設定がリアルでよいですね。
舞台設定はいいしロケ地は雰囲気出ててよかったです。
田舎の村とか変な祠とか怪しい祈祷師とか、リアルです。

イットフォローズと同じで○○したら霊が移るのかなと思いきやそのシーンはミスリードでしたね。

最初の僧侶の祈祷シーンはリアルでいいんだけど、最後の祈祷師の方は胡散臭く見えるのは私だけ？
終盤で解決に近づくにつれてババア見せすぎて作り物感が出るのはしょうがないのかな。

全体的に畳みかけるようにババアが出現します。
序盤、中盤、終盤と隙がないと思うよ。
というよりちょっとババア出しすぎじゃ、、

本作はホラーだけど、ドラマ要素を持たせてるのがイットフォローズからの方向性なのかなと思いました。
別監督のイットほどじゃないですけどね。

何というか純粋なホラーとは一味違う感じです。
逆に純粋ホラーが楽しみたいなら最近だとPOV一択な気もします。
ホラーと一言で言ってもPOVみたいなのや本作みたいなのもあってそれぞれ良さがありますね。

なんやかんやでイットフォローズ含めこの方向性は好きです。

現地ガイドのゴゴいい奴。
最後別れてすぐ別の旅行者に話しかけるとこに映画の奥行きを感じる。
個人的ベストシーンです。

嫌だったのは音で脅かす系っていうとこですね。
このタイプは見てて疲れるのが短所です。
個人的にはビックリよりゾクゾク感で攻めてほしい。

ビックリ系ダメな人にはこの映画はおすすめしないです。
本怖とか日本のホラーもそんな感じですね。
逆にPOV系のほうがフェイク多めなイメージです。

この映画はおそらく"タイ"をほぼリアルに描いている。
タイに行けば、外窓が開かないことや何処と無く曇った感じや部屋に某か生き物が居たりする。

賑やいだ繁華街やそこに寄り添う貧困、そしてそこかしこに在る祠。
光と影に彩られながら、その礎は神と精霊の国だと実感させられる。
そんなタイの姿がここにある。

そこを訪れた異邦人が悪意無く禁忌に踏み入れてしまう。
悪意にそそのかされて。

タイに行けば必ず見掛けることになろう祠。
それは"やおよろず"が人と共に住まう社である。
彼等は人に敬われ、そして人に繁栄と平穏を配る。

しかし、善いものが住むならば時には疚しいものが棲むこともある。
棄てられた祠には特に。

言い伝えられた"それ"は今も悲しみを抱え、嫉妬と怒りを糧に祟りに来る。
乗り移られ、幻覚と苦痛に悶え、心を失い始める。
彼女を救うためには呪いを移すしかない。

人は己の正義や救いの為に、他人に悪行を容易く行ってしまう。
主人公は結局、自分に悪意を奮った者達と同じ境遇に堕ちてしまう。
そして促されて同じことをしようとする。

しかし、躊躇う。そして止める。

彼のそんな良心はタイのタクシー運転手のゴゴや落ちこぼれのシャーマンの心に届く。
そして彼等は主人公を助けようとしてくれる。

タイは微笑みの国だと言われる。
行けばわかる。
彼等は縁を心から信じている。
それを裏切らなかった主人公は導かれ、そして助けられる。

そんな人との繋がりが暖かく麗しい。
彼等は配置された登場人物ではない。
常に考え、悩み、判断し、行動する。

そして主人公の良心と決意に導かれるように、彼等は正しい選択をする。

間違うこと無く愛に準じた主人公は、あまりに素敵でした。
苦しみの数日の話。
そして、彼等は素晴らしきものを持ち帰る。

日本人がことの元凶であるせいか、映画はジャパンホラーっぽい脅かし方をしてきます。
ちょっとこけおどし的。
迫るタイムリミット。

果たして主人公は婚約者を救えるのか！
趣きある映像と漂う宗教感が、私達を異空間に誘います。

ドラマとしては勿論、じわじわくる恐怖感も素晴らしい。
見応えある映画でした。
タイの描写も偽り無く良いです。